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ホーム >> くさつがわ家とお隣さん
 
 おひとつ、どうぞ。
 おひとつどうぞ―。近所でよく見られた「おすそわけ」の光景も、ずいぶんと見かけなくなった気がします。それに代わるように、近所では宅配や通販のバイクやトラックの音が多くなりました。多く(余分に)あるものを仲間でシェア(share)する日本のおすそわけ文化は、「お互いさま」や「もったいない」といった言葉に表れる日本人の精神性を象徴するものの一つです。震災の被災地にいち早く、ボランティアや義援金、そして救援物資が集まるのも、私たち日本人の深い部分に根づいている気持ちなのかも知れません。
おすそわけ、今一度、見直したいものですね。

さて、この「おすそわけ」を近所のコミュニティに活かそうとした町会長のアイデアと行動力には今回も惜しみない拍手を送りたいものです。隣近所で顔を合わせれば挨拶はするものの、それ以上はどうすれば…って人も多いのでは。ポイントは「共通の話題」と「話のタネ」。考えてみればちょっと昔の地域社会では、農作業や子どもの成長など共通の話題が豊富だったような気もします。市内の“とあるまち”の話。そのまちでは、園芸好きの人が近所に家で育った皇帝ダリアの苗を配り、各戸の庭に植えました。皇帝ダリアは成長すると2階の窓から花を楽しめるぐらい育ちます。近所の人が顔を合わすたびに「お宅の皇帝ダリアはずいぶんと伸びましたね。何か(工夫)しているのですか」と会話のきっかけが生まれたそうです。共通の話題ですね。

そういう意味でも市民農園は一つのアイデアかも知れません。慣れない農作業も隣の畑同士で教え合ったり助け合ったり、色々と話のタネが期待できます。花や野菜の種が話のタネになるわけですね。このお話のように、「おすそわけ」しきれなくなったら、みんなで収穫祭をやってみるのはどうでしょう。できた野菜に知恵や技を出し合って、みんなで料理を作ってシェア(分け合う)をする。ついでなので、近所の料理上手な奥さんに教えてもらいましょう。いや、あの漬物名人のおばあちゃんに習ってみるのも一興かも知れません。もう、話のタネだらけです。

 これってやっぱり、みんなの問題。
 
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